英語力が100%伸びる方法とは?①

2022.04.04

ちょっと胡散臭さのあるタイトルになってしまいましたが、「コレをやれば絶対に伸びる」と言い切れる必殺技のような手法は実在します。
他でもない私自身が、そのやり方で大きく英語力を伸ばせたという経験者ですし、今までその方法で指導した生徒様全員が望むレベルに到達したという実績もあります。
普段は「100%」とか「絶対」のような言葉はあまり使わないのですが、この手法については自信を持って言い切れます。
 
そのベースは私の知る限りでも10年前には既に提唱されていたやり方です。これまでにいくつもの書籍が出版されていますし、似た手法を導入している英語教育機関も多数あります。逆に言えば、それだけ効果がある手法なのです。故に当スクールのオリジナルというわけではありませんが、色々と追求と実践を重ねて最適化した結果、1つの完成形に至りました。ご自宅で一人で行う事もできるので、この機会に紹介させて頂きたいと思います。
 
ただ、先に言ってしまうのも何ですが、「そんな確実で有名なやり方を、どうして皆がやらないの?」と思う方もおられるかと思います。
そこで、今回は

・やり方
・得られる効果
・欠点

について述べたいと思います。
 
■やり方
必要なもの:英語の例文と日本語訳、およびネイティブスピーカーの音源
 

1. 何も見ずにネイティブ音声を聴き、聞こえた通りにリピートする(3回)

このステップはあまり重視されていないのですが、いきなり英文を見てしまうと、どうしても自分なりの読み方に引っ張られてしまいます。まずは先入観を捨てて、純粋に聞こえた通りに声を出すことが重要です。合っているかどうかにはあまりこだわらず、50%くらいは言えたかなくらいの感覚でいくのがコツです。また、回数を3回としているのは、1,2回程度で完全に言えるような文であれば、わざわざ練習する必要は無いですし、かといって3回やっても全然できない場合はご自身のレベルに合っていないので後回しにした方が良いからです。ただ、どうしてもその表現をモノにしたい場合は、次以降のステップで頑張るしかありません。
 

2. オーバーラッピング(3~5回程度)

英文を見ながら音声と同時に発声する練習です。この時に日本語訳も確認し、自分が何を言っているのかをしっかりと意識します。この際も、目で見た単語の読み方にこだわらず、できるだけネイティブの喋り方に寄せて声を出すようにしましょう。上に書いてある回数は目安程度で、基本的には完璧に言えるまで練習します。また、頭で覚えるのではなく、口が自然に動くくらい定着させるのが目的なので、「できた!」と感じてから更に1,2回多くトライすると、次のステップが楽になります。
 

3. シャドーイング(3~5回程度)

何も見ずに英語音声を聴き、少し遅れて同じように発声します。輪唱のようなイメージですね。とにかくネイティブの言い方を真似することがポイントです。こちらも回数は目安程度で、完璧にできたと思えるまで続けましょう。
 

4. 日本語訳を見て、対応する英文がパッと出るか確認する

今までやってきた事が身についているかを確認するステップです。途中で詰まったり間違ったりすることなく、その英文を最後までスラスラと言い切ることができれば完了です。上手くいかない場合は、オーバーラッピングやシャドーイングに戻って再度練習しましょう。
 
※大事なのは、この手順をただこなす事ではなく、「こう言いたいと思った時にパッと言い切れる」状態になることです。
できるまでやらないと意味が無いですし、逆に早めにできるようになれば、回数は気にせず他の表現に取り掛かる事をオススメします。
 
■得られる効果

1. ネイティブレベルの英語を体得できる

英語を話す上で大きな壁となるのが発音とスピードです。読めば理解できる内容であっても、ネイティブ相手に話すとなれば「どこか不自然な英語になる」「なかなか伝わらない」「どうしてもゆっくりになる」というケースは非常に多いです。その点、このやり方だとネイティブが実際に使う表現をそのまま真似する事になりますし、語順の違いやリズム感といった英語特有の癖も身に付きます。そのおかげで、このやり方を続けていると、練習した事のない表現でもナチュラルに発声する事ができるようになってきます。
 

2. リスニング力が大幅に伸びる

「自分で発音できない言葉は聴き取れない」と聞いた事はないでしょうか?リスニング力を最短で伸ばすには、ネイティブと同じ発音で声を出す練習をするのが一番です。試しに上記の練習をした後に同じ文章を聴いてみると、驚くほどクリアに聞こえてきます。会話に有効なのはもちろん、例えばTOEICであればPart 3, 4のスクリプトでこの練習をすれば、大きくリスニングの点数を伸ばすことができるようになります。
 

3. 結果的に文法理解が進む

英語学習者の多くが、「まず文法を理解してから使う」という意識になっています。その方が向いておられる人もいるのも事実ですが、体感的には「先に例文を覚えた結果、法則が見えてくる」という人が過半数を占めています。特に難しい文法内容の場合にそれが顕著で、例文をいくつか体に染み込ませておくと、「そういえば、こう言いたい時はいつもhave beenだったな」のように理解が追いついてきます。解説を読んでもピンと来ない時などに非常に有効なやり方です。
 

4. レベルが上がるほど効果が高くなる

英文がシンプルなうちは、そこまで何度も練習しなくてもできるようになると思います。このやり方が真価を発揮するのは、ある程度複雑な文法を扱うようになった時や、スピーチやプレゼンテーションのように数分間~数十分間喋り続ける必要性が出てくる時なのです。中級者以上の方であれば、例えばスピーチのトランスクリプトなどを教材にしてこの手法で練習すると、ネイティブさながらの活き活きとした流暢な英語で喋れるようになるため、一定以上のレベルの方がより上達を目指す際に特に有効な手法となります。
 
■欠点

1. 面倒くさい

身も蓋も無いですが、コレが一番の欠点だと思います。大抵は英文を頭で覚えたり、1,2回口に出すだけで「覚えた」と判断したりするでしょう。また、何度か真面目にやったとしても、忙しいタイミングやモチベーションが下がった時などに「まあいいか」となり、そのままやらなくなってしまいます。冒頭で「一人でもできる」とは述べましたが、正直楽しさを感じにくい手法なので、継続するにはかなりの精神力が必要になります。
 

2. 教材を揃えるのが難しい

英文と日本語訳はまだしも、ネイティブ音源まで揃った教材を見つけるのはなかなか困難です。まして、自分のレベルに合った、身に付けたいと思える表現を揃えること自体が既に手間を取る作業になってしまいます。もちろん、探せば見つかるかもしれないし、工夫で何とかする事もできるのですが、最初からそこまでやろうと思うと億劫になるのも当然だと思います。
 

3. 上達実感を得られる機会が少ない

いくら表現をマスターしても、実際に会話で使用してみないと上達を実感しにくいものです。日頃からネイティブと話す機会があるなら良いのですが、それでも覚えた表現をそのまま使える展開になるとは限りません。まして、話す相手がいない場合は、ひたすら練習するのみの修行のような世界になってしまいます。
また、初期は覚えている表現が少ないため、「英語でスムーズに話せるようになった」と感じられるまでかなりの時間差があります。どんな表現を練習するかにもよりますが、しばらくは労力の割に報われない気分になるでしょう。ただ、大体100種類ほどマスターする頃には、単語や組み合わせを変えて応用する事ができるようになってくるので、最初の苦しい時期を乗り越えられれば一気に道が開けてきます
そして、ある意味一番厄介なのが、実際に上達していてもピンときにくい点です。この手法は自然に口が動くようになる事を目指しているので、まるで日本語で話す時のように無意識にサラッとフレーズが出てくるようになります。すると、皮肉な事に「練習したフレーズを使えた!」という実感が湧きにくいのです。誰かが「今すごく流暢な英語だったよ」とでも言ってくれれば良いのですが、講師と生徒の関係以外で具体的に誉めてくる事は少ないでしょう。
 

4. 覚えたフレーズを忘れてしまう

どんな勉強法でもそうですが、いくら必死に覚えても、その後全く使わなければ忘れてしまいます。頻繁に英語で話す機会があったり、定期的に復習したりすれば徐々に定着度が強まっていきますが、新しいフレーズを覚える事に労力を割いてしまいがちなので、ある程度の計画性が無いと「あんなに頑張ったのに身に付いていない…」となってしまいがちです。
 
このように、やれば必ず上達するという素晴らしい手法なのですが、実際にやるとなると簡単ではないという難点もあります。
もちろん、そんな事にめげずに努力し続けられる方であれば、短期間でネイティブと対等にやり取りできるレベルに達するでしょう。できるのであれば、それがベストです。
ただ、大多数の方にとってはそうでないからこそ、世間一般にあまり広がっていないのでしょう。
 
実際にやれなければ、100%伸びると言われても無意味です。では、どうすれば良いのか?
 
それに対するスクールとしての取り組みは次の記事で紹介させて頂きます。