創業8年目を迎えて ~この時代の英語との向き合い方を考える~

2024.02.01

月日が経つのは早いもので、1月23日をもってASISランゲージセンターは8年目に突入しました。
決して規模の大きいスクールではないものの、変わらず皆様の英語力向上に貢献し続ける事ができて嬉しいです。
 

■留学生受け入れ事業への参入

まずは新しい展開のご報告です。この度、世界最大規模の国際教育交流団体であるNAFSAと提携しているCETという機関とご縁があり、日本への留学生の受け入れ事業に携わる事となりました。既にこの1月からプログラムが始まっており、これから徐々に活動の幅を広げていく見込みです。ちなみに、この動きに伴って6月まで木曜日のレッスン予約が取りにくい状況となっておりますので、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
ほぼ個人でやっているような立場としては、こうして世界規模のプロジェクトに携わる事は少々恐れ多いですが、同時に大変やりがいのある事業だとも感じています。当スクールで英語学習に励む皆様にも良いフィードバックができればと思います。
 

■世間の英語に対する姿勢の変化

最近は人の集まる場に顔を出すようにしており、様々な方と話をさせて頂いています。コロナ禍によるリモートワークの一般化や、近年のITやAI技術の発達を経て、世間での英語に対する姿勢が変わっている事を実感しています。例えば…
・内容が分かればいい程度の英語文献は機械(AI)翻訳にかけてサッと読む
・公式な書類や正確さが求められる資料はプロの翻訳家に依頼する
・道案内など簡単なやり取りはスマホで調べたりGoogle翻訳などで対応する

など、仕事上ある程度の英語を必要としながらも、英語学習に膨大なコストや時間を割くことなく、新しい技術やサービスを利用して上手に付き合っているなと感じました。
便利なツールが増えているのは間違いなく良い事であり、かつてないほど「英語を使える」時代になったと言えます。
 

■便利さの代償

このように英語を使うハードルが下がってきた状況で、以下のような声も多数耳にするようになりました。
・機械などに翻訳させた英文が合っているかどうか判断できるくらいの英語力は欲しい
・簡単なやり取りくらいは何も使わずにパッと対応しないとテンポが悪い

といった感じで、ツールを使えば英語を習得する必要が無いかというと、そうでもないというのが実情のようです。むしろ、ツールが担える部分が大きくなってきたからこそ、自力が必要な範囲がハッキリとしてきたとも言えます。
 
そういう意味で、やはり英語学習をして一定の実力を身に付けたいという需要は尽きないようです。幸い、英語は世界で最もメジャーな言語なので情報も学習手段も山のようにあります。書籍、ネット、YouTubeなどを上手く使えば、ほぼ無料で英語の勉強をする事すら可能な時代だと言えます。にも関わらず、「色々な情報や勉強法があり過ぎて、何から手を着ければいいのか分からない」「人によって言っている事が違って混乱している」といった声も少なくありません。情報過多な環境がかえって英語学習者を混乱させているとも言えます。自力で英語を習得できるに越した事は無いと思いますが、闇雲にやっては必要以上に時間と労力がかかり、下手をすると英語習得を諦めてしまう羽目になってしまうようです。
 

■情報過多の時代だからこそ基礎を体系的に学ぶべき

ASISに問合せをくださる方々の中にも、「英語学習を始めたいけど何をすればいいか判断がつかないので、やはりスクールを頼りたいと思った」「自力で頑張っていたけど限界を感じた」といった理由を述べる方がけっこういらっしゃいます。情報があり過ぎる時代だからこそ、道しるべを必要としている方も数多くいるのだと感じます。
先述の通り、ある程度の英語力さえ身に付けば、あとは便利なツールを利用してネイティブスピーカー達と渡り合えるようにはなります。だからこそ、基礎的な文法をしっかり身に付ける事が今まで以上に重要になってきました。基礎が固まっていれば「ネイティブはこう言う/言わない」といった類の情報に振り回されずに済むようになり、ちゃんとニュアンスを理解した上で使い分けたり、自分にしっくりくる表現を自信を持って選べるようにもなります。
 
そして、そういう判断ができるレベルの実力を身に付けるのに必要な労力は確実に少なくなってきています。1つは、長年の英語教育の実績を経て指導内容が洗練されている事が挙げられます。特に、初心者から中級者くらいまでが英語力を高める手法はほぼ完成の域に達しているため、学習初期はスクールを利用するのが最もコストパフォーマンスが高い状況です。そして上記の通り、基礎さえ固まっていればあとは自力でどうにかできる環境が整いつつあります。かつては「実用的な英語習得には最低3年はかかる」と言われていましたが、翻訳や通訳のように本格的に英語を使って生きていくようなケースでない限り、基礎をしっかり押さえて後はネットで調べたりツールを利用したりするので十分だと言える状況になったのです。
 

■求められるのは英語学習のパートナー?

ASISは英会話スクールと言いながらも、いわゆる講義型の集団授業ではなく、実質的にパーソナルトレーニングに近い指導をしています。そのせいか、これまで「先生っていうよりもゴールまで一緒に走ってくれるパートナーみたいですよね」と3人の方に言われた事があります(本当に全く同じ表現でした)。私自身にそういう意識があったわけではないのですが、こう思う方が複数いらっしゃるという事は、逆に言えばそういう姿勢が求められているのかなと感じています。
先述の通り、知識だけなら無料でいくらでも手に入る時代です。これまでのように、指導する側が上から知識を授けるような形ではなく、一緒に目的地を決め、一人一人のその時々のに合わせて柔軟にアドバイスを出し、目標を達成するまで寄り添う。先生というより学習パートナーのような存在こそ、今の時代に必要なのだと思います。
 
英語学習における目標も、どんなタイミングで英語を学ぼうと思うかも人それぞれです。「英語を学びたい」「誰かのサポートが欲しい」と思った時に気軽に声をかけて頂けるようなスクールであり続けたいと思います。今後も、世の中の進歩による恩恵を十分に活かしつつ、生徒様一人一人が求めるものを提供し続けていきます。