月日が経つのは早いもので、この6月末を以て当スクールの卒業生は100人を超えます。もちろん個人で小規模にやっている事業なので、創業から約6年半で100人という数字は特に多いわけではないと思いますが、なんとなく大きな節目を超えた感覚にはなります。卒業した方々から「念願の海外部署に配属されました!」「外資系の会社に転職しました!」という報告を頂く事もあり、多くの方の人生のお役に立てている事は純粋に嬉しいです。と同時に、自分が良いと思ったやり方でしっかりと結果が伴っている事で、やはりこの方向で合っているのだなと確信が持てます。
ただ、「もっと早くこのスクールの事を知っていたら…」という声も頂きます。やはり英語学習にはコストと手間がかかるというイメージは定着しているようで、なかなか一歩踏み出せなかったリ、仮に習い始めても続かなかったリというケースは多いです。もともと、その問題を何とかできないかと思って始めた事業なので、今回はなぜASISでは最小限のコストと手間で英語を習得できるのかについて改めて説明したいと思います。
私が英語教育に携わってから20年は経つのですが、その間ずっと、そして今でも「大抵の日本人は英語を話せない」が定説となっています。学校教育の事は置いておいても、様々な企業や機関が学習方法や教材を世に出し、ITなどのおかげで以前とは比べ物にならないほど情報が手に入るにも関わらず。もちろん、この業界にいる身として、ネイティブと対等以上に渡り合える日本人も少なくない事は知っています。それでも、英語を身に付けたいという人が数多く存在し、世の中がどんどん進歩しているというのに、この状況はシンプルに「おかしい」と感じました。
コストと手間の大きな縮小については、近年の新サービスが実現を可能にしてくれました。特に当スクールを始めるきっかけになったのはレンタルスペースの流行であり、大抵のビジネスに重くのしかかる場所代を大きく削減する事ができる時代になりました。その時点で出張型対面レッスンがメインになり、スライドを使用してどこでも高品質のレッスンを提供できるようになっていたのですが、その後オンラインレッスンが一気に広まり、もともとのレッスンスタイルと相性が良かった(相手の顔を見て会話できる上にスライド画面も共有できる)ため、更なるコストダウンができたという経緯です。
レッスン時間に関しても、レンタルスペースの場合は好きな時間と場所を指定できるという自由はありつつも、一度予約すると急なキャンセルなどに対応しづらい問題がありましたが、オンラインの場合はキャンセル料などは必要なく振り替えができます。この点は既存の英会話スクールのようにレッスン枠が決められているやり方とは一線を画すものであり、よほど多忙な方でない限りは安定して毎週レッスンを受ける事ができています。それに、当スクールは大阪市内にありますが、オンライン化した事で全国の方々に同質のレッスンを提供できるようになった事も大きいです(過去に、出向先の韓国から英会話レッスンを受けていた生徒様もいました)。
このように、当スクールは新たなサービスを利用しているだけで、特別な事をしてコストを下げているわけではありません。レッスン単価で言えば相場の1/2~1/3であり、自由に予約できる特性上マンツーマンレッスンになりやすい傾向も考慮すると、普通に英会話スクールに通う料金の1/5程度の授業料になります。もちろん、個人としてスクール運営をしているので、組織形態であればかかるはずの諸々の費用もセーブできている事もあります。特に何か無理をしているわけでも、サービス内容を安くしたわけでもなく、時代の変化が可能にした低価格化だと言えます。もちろん、ビジネスとして考えると「付加価値をどんどん付けて利益を増やす」が王道なのでしょうが、私自身の価値観である「お金の話をゴチャゴチャして教育のノイズにしたくない」を優先しており、浮いたコストを生徒様に還元するような英会話スクールもあっていいのではないかと思い、今に至ります。
実際、生徒様の多くが「安いですね」と言ってこられますが、「実は、それはそれで何か胡散臭いと思ってました」という方もチラホラおられました。「安かろう悪かろう」を疑うのは当然の事ですし、裏を返せば「英会話にはかなりお金がかかる」という認識がすっかり定着しているという事でもあります。この点については、先ほど述べた通り、「時代の変化のおかげで普通にやってこの価格になる」だけです。まあ、単価で言えばより安くレッスンを提供しているところもありますし、究極はボランティアになってしまいますが、少なくとも当スクールの事業継続のために適切な料金設定にはなっているため、価格競争をする気はありません。
それよりも、安かろうが無料だろうが英語力が伸びないのでは意味が無いでしょう。最初に価格が目立ってしまうのは事実としても、あくまで私が目指しているのは「より多くの日本人に英語を使えるようになってもらいたい」なので、提供するサービスについては妥協なく仕上げています(自作のテキストや資料なので、ビジュアル的にチープな印象になりがちなのは認めますが)。
当スクールの中核を成しているのがStep Upコースという、段階的に文法を身に付けるカリキュラムです。勉強の仕方は人それぞれで良いとは思いますが、仮に効率的に習得したいのであれば自ずと方法は絞られてきます。英語は「主語+動詞」を基礎とし、それらにニュアンスを変える単語を付け加えたり、後から詳細情報をくっつけたりする言語です。日本人にとってややこしいのは、「語順が違うから、訳そうとするとパズルのように複雑になる」からであり、ネイティブが英語を身に付けるプロセスと同じように、簡単な表現を体得してから段階的にニュアンスや詳細を付け加えるという順番が結局一番分かりやすいし早いです。
あくまで「喋るための文法」なので、学校で習う内容よりはシンプルですし、習う順番も変わってきますが、この段階型カリキュラムにする事で、英語を初めて習う方でも、ある程度実力のある方でも、誰もが抵抗なく英語のレベルを上げていく事が可能なのです。この点に関しては実績も豊富であり、英会話学習方法の完成形と言っても過言でないほどの自信があります。
ただ、効率の良さを優先した事で、物量不足の問題が出てくるケースは確かにあります。基本的には毎回の予習復習をしっかりやっていれば十分な設計にはしているのですが、必ずしもそうはならないのが人の性と言いますか、進度によってフォローが必要な方も少なからずいらっしゃいます。その点についてはPhraseコースやフリートーク(こちらの記事を参照)で上手く対応できる体制になったため、本当の意味で誰もが望む英語力に到達できるレッスンになりました。
このように、新しいサービスを利用した自然なコストダウンと、先人たちが蓄積してきた学習方法の集大成であるカリキュラムが「最小限のコストと手間で英語を習得できる」事の理由となっています。
何度も言いますが、別に特別な事をしているわけではありません。英語を習得するのに大量のコストと時間を投入する必要が無い時代になっただけなのです。そこを見抜いた上で英語学習に取り組めば、「まあ英語くらいは普通にできますよ」と言える世界がすぐそこにあります。それに、そう構えず「ちょっとやってみようかな」くらいの気持ちで初めてみて、合わない/要らないと思えば辞め、「やっぱり要るわ」となった時にまたやれば良いのです。
これは私の個人的な意見ですが、英語はある程度できるようになってからが本当に面白いです。そのレベルまではサッサと上がってしまう方がモチベーションも維持できますし、浮いたお金や時間は海外旅行だったり他の資格取得だったり、更に有意義な事に当てる方が良いと思います。とりわけ、最近は「英語ができるだけではそこまでアピールにならない」という社会になりつつあります。ただし、他のスキルと組み合わせると唯一無二の価値が出せるという可能性もあります。英語学習そのものが楽しいという方はそれはそれで良いと思いますし、仮にスキルの1つだと割り切っている場合は、低コスト短時間で一定のレベルまで上げた方が色々な可能性が開けてきます。
最後に、よく「ASISってどういう意味ですか?」と聞かれる事も多いため、この機会に説明します。もともと“as is”という表現があり、あるがままを意味します。それをくっつけて英語っぽく発音すると「エイシス」になるのでそれをスクール名にしました。
英語はあくまでコミュニケーションツールです。身に付けるために自分の価値感や生活を無理に変えたり、何かを犠牲にする必要は無いと思います。「あるがままの状態」、つまり自然体で身に付けられる事が理想であり、同時に、その人自身の「あるがままの良さ」をきちんと言葉にして世界中の人々と交流し合える事こそが、今後の国際社会での振る舞い方だと考えています。
そういう思いを胸に、今後もより多くの方々のお役に立っていければと思います。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。