今回は、よく生徒様から聞かれる質問への回答という形で記事をお届けいたします。
実際、英語学習者の多くの方が「カタカナ発音」の呪縛に囚われているのが実態かと思います。
「発音なんて気にせずどんどん話すべきだ」というスタンスもごもっともなのですが、もう少し踏み込むなら、「発音を気にして尻込みするよりは、多少おかしくても発言した方が良い」という話だと思います。
そもそも相手に通じなければ意味が無いですし、やはり英語の上手さの要素に「発音」が入るのは事実です。
シンプルにハリウッドスター達のような話し方ができた方が格好良いと思う方もおられるでしょう。
本筋に入る前に少し注意点を挙げさせて頂きますと、
「ネイティブっぽい喋り方」に絶対解はありません。
一言で英語ネイティブと言っても、アメリカンイングリッシュがあればブリティッシュイングリッシュもあり、更にオーストラリアやシンガポールやら、英語が公用語の国であってもそれぞれけっこう違います。
しかも、仮にアメリカ国内でも地方によってアクセントが違ったり、フランス系アメリカンとイタリア系アメリカンでも違ったりと、キリが無いのが現実です。
そういう意味では、別に日本人特有のジャパングリッシュがあっても良いと個人的には思っています。
そこまで前置きをした上で、「脱・カタカナ英語」のポイントを3つにまとめました。
一応、学術的な理論もあるのですが、やれリエゾンだ何だと言われてもピンと来ない方が経験上多かったので、極力シンプルにしています。
アメリカンイングリッシュ向けの内容になることはご了承ください。
I’ll get that.を皆さんはどう読まれるでしょうか?
「アイル ゲット ザット」がいわゆるカタカナ英語的な読み方ですが、実際には「アイルゲザ」と聞こえます。
じゃあ「ツ」は何なのか?という話になりますが、ネイティブ発音をより正確に表すと、
アイルゲザ
つまり、本来なら強く読む部分をカタカナでは「ッ」で表現しているのですね。フォントの大きさを変えられないなら、こう表現するしかないのだと思っています。
しかし、「ゲットザット」のように、いちいち「ッ」を入れていたら発声が詰まってしまう上にテンポが悪くなってしまいます。
英語が「ペラペラ」と表現されるのは、一文を流れるようにスラスラと言い切るからです。
なので、「ッ」と呼んでいた部分は「強く読む」に変えましょう。
先程のI’ll get that.の時に「アイルゲザ」になると述べましたが、「ト」も抜けていますね。
本当は子音(a,i,u,e,o以外)は弱く発音するのですが、多くの場合、後ろの単語にかき消されてしまうので、いっそ声に出さない方が自然になります。
語尾を省くことで、自然と後ろの単語との繋がりもできて流暢に話し易くなります。
ただし、語尾まで言わないと意味が分からない単語もあります。例えば、saladを「サラ」と呼んでも意味が分からないので、そういう単語には注意しましょう。
(ちなみに英語では「サラダ」ではなく「サラドゥ」です)
一見どうでも良いように思えるポイントですが、実は日本人の英語が伝わりにくい大きな要因です。
というのも、日本語ではあまり抑揚をつけずフラットに喋るのが当たり前なので、英語もそのまま発声してしまうケースが非常に多いのです。
(英語に慣れていないうちは文を考えながら喋るため、それで感情を入れにくいのかもしれませんが…)
本来英語はアクセントや抑揚をつけてリズミカルに喋るものなので、フラットだとかえって言いにくい上に聞く方も分かりにくいという悪循環が起こります。
かといっていちいち抑揚のポイント等を考えていると難しくなるので、ここはシンプルに自分がオーバーだと思うテンションの倍くらいの勢いで喋るようにしましょう。
それだけでもかなり印象が変わります。
※番外編:英語で話す時は声を低くする
ポイントは3つだと言っておきながら何ですが、触れておく価値はあると判断して記載させて頂きます。
男女問わず日本人の声は高めで、特に丁寧さを出す時は自然とそうなるものなのですが、ネイティブ達は基本的にお腹から声を出し、喉を震わせるような発声をしています。
英語自体がそういう発声法と合っている言語なので、そうした方が「ネイティブっぽい」話し方になります。
何も発声法を練習する必要はなく、自分の中で目いっぱい低い声で喋るくらいの意識でOKです。
コレを番外とした理由は、「その人の個性や狙いによる要素でもあるので、一概にそうした方が良いとは言えない」からです。
もともと声の高い方が無理をする必要はないですし、可愛さや丁寧さを強調したい時にはやはり高めの方が効果的だと言えます。
一方で、世界を相手に交渉事などをする方や、ネイティブ達と対等以上に付き合いたい方などに関しては、一般論として低い声で喋ることをオススメします。
以上、
を意識して喋るようにすることで、よりネイティブ「ぽい」英語になります。
英会話学習者の多くの方にとってはこの3点のみで十分だと思います。
より深く追求したい方は、ネットや書籍でも多くの情報が得られますし、当スクールでもお問合せ頂ければ発音指導も承っておりますので、お気軽にご相談ください。