What’s up?にはNot muchと答えるワケ

2021.05.17

前回の記事で、挨拶は“How’s it going? → Good.”が基本だと述べましたが、実際のところ、ネイティブが使う挨拶の種類は膨大です。
その中でも有名どころなのが、What’s up?なのですが、これに対する返事はNot much.だと聞いたことはないでしょうか?
なぜ、似たような場面での挨拶なのに返事の仕方が変わるのか?
ちょっと面倒くさいと感じるかもしれませんね。

 

よく使われる挨拶フレーズを大きく分けると、How系What系の2種類になります。

 

How系であれば、

How are you?
How are you doing?
How’s it going?
How’s everything?
How have you been?

などが代表例です。
How自体は「調子や具合」を聞くものなので、返事としては「良いか悪いか」で返すのが自然になります。
ただ、出会い頭の挨拶では、
本当に調子を聞いているわけではないので、Good/Not badでサラっと返すのが一般的です。

 

一方、What系であれば、

What’s up?
What are you doing?
What’s going on?

などがよく挨拶時に使われます。
Whatは「何?」とモノや行動の中身を聞くものなので、要はどれも「何してるの?」と聞いているわけです。
それに対してGoodと答えると少しズレた感があるので、What’s up?には別の返事をするというのが広まったのですね。
ただし、こちらもHow系と同様、「本当に中身のある返事を期待しているわけではない」点に注意です。
明らかに何かしている時に声をかけられたのなら、それについて答えれば良いのですが、
普通に歩いていて出会った時などは、Not much.「別に」やAs usual.「いつも通り」と答える
わけです。
もともと、かなりフランクな関係の場合に使われる挨拶ですから、上記の返事で失礼だったり冷たく感じられたりもしません。

 

中でも、What’s up?は「オッス!」くらいのノリですから、それに対する返事すらしないネイティブは多いです。
例えば、

A: Hey, what’s up Ryan? 「オッス、ライアン!」
B: Oh, what’s up Tom? 「ああ、オッス、トム!」
A: Did you watch the drama last night? 「昨日のドラマ観た?」

のように、サラっと挨拶を交わして話題に移る感じです。
つい、男言葉っぽく訳してしまいましたが、同様の挨拶を女性がしても問題はありません。

 

ということで、まとめると

How’s it going? → Good.
What’s up? → Not much.

が基本で、「あなたは?」と返すなら
How about you?を押さえておけば、まず間違いはありません。
いちいち考えたり詰まったりしない事が大事です。
あとは、よく話すネイティブの方がいたり、特定のコミュニティ(スポーツ等の趣味仲間など)に属する場合は、その人たちが使っている挨拶に合わせるのも1つです。
共通の挨拶で仲間意識が高まったりもするので、特にルールに縛られず、柔軟にテンポ良く挨拶を交わしましょう!